猫花の言の葉

すべてのものが循環するように、心も流れていきますように。そしていつか、綺麗な澄んだ流れになれますように。

甘ったるいもの

目が覚めた。

胸に、甘ったるいものがあるのを感じる。

この正体が何か、すぐに分かった。

彼を好きな気持ち。

胸から溢れて、血に溶け込んで全身に巡っている。

それはとても心地の良いものだ。

それに甘んじていたいものだ。

もう少し、あともう少し、このままでいたい。

昨日

失恋した。

彼も私のことが好きなんだろうという驕りがあった。
傲慢だったからだろう。
たかをくくっていた。
油断した。

その結果、嫌われた。
もう、関わりたくないと思われた。

それだけが純然たる事実で。
抗いようがない。
戦えない。
降参するしかない。

彼が私を嫌いだという事実に。

事実には勝てない。
いやというほどの存在感で、確とそこにあるのだから。

事実というのものは受け止めるしかないのだ。

事実は解釈によって異なる?

では、解釈こそが事実だろうか。

私の頭では、逆立ちしても都合の良い解釈などできっこない。

事実をありのまま、受け止めているというのは不遜だろうか。

分からない彼の気持ちを噛み砕くために、
彼のことを綺麗に諦めるための理由を、言葉を必死で探している。